日本人は英語に対してさまざまな苦手意識を持っていますが、とくに英語の発音が苦手な方が多いのではないでしょうか。正しく英語の発音をするには、フォニックスという学習方法を活用するのがおすすめです。
アルファベットの勉強が始まる前の子どもがフォニックスを身につけておくことで、正しい発音をしやすくなります。今回は、フォニックスの内容やルール、重要性について解説してきます。
フォニックスとは
フォニックスとは、英語圏の子どもたちが発音と文字の関係性を習うために開発された音声学習方法です。多くの日本人が英語を「A(エー)」「B(ビー)」「C(シー)」と習いますが、「Appel(アップル)」「Bag(バッグ)」「Car(カー)」のように、アルファベットと実際の発音が異なるケースは多いです。
フォニックスを学ぶことで、実際のネイティブが行う正しい発音方法を知ることができます。さらに英単語の理解にもつながるため、日本人にもフォニックスはおすすめの学習方法です。
一度アルファベットを習うと、「エー・ビー・シー・ディー・イー・エフ・ジー」が記憶に定着してしまいます。そのため、アルファベットを習う前の子どもの頃からフォニックスを知っておくことで、アルファベットの発音に左右されず発音できるようになります。
フォニックス一覧
フォニックスの学習方法は、すべてのアルファベットに当てはまります。アルファベット別のフォニックスは、以下のとおりです。
A:ア | B:ブ | C:ク |
D:ドゥ | E:エ | F:フッ |
G:グ | H:ハ | I:イ |
J:ジュ | K:ク | L:ル |
M:ム | N:ン | O:オ |
P:プ | Q:ク | R:ゥル |
S:ス | T:トゥ | U:ア |
V:ヴ | W:ゥワ | X:クス |
Y:ィヤ | Z:ズ |
英単語はアルファベットの組み合わせなので、それぞれのフォニックスを読むことで正しい発音ができます。ただし、フォニックスには複雑なルールがあるため、単純に上記を並べて読むだけでは正しい発音とはいえません。
上記の表は説明のためにカタカナで表記していますが、実際は英語の音です。そのため、カタカナの音とは異なることを理解しておきましょう。
フォニックスの基本ルール
ここからは、フォニックスの基本ルールについて解説していきます。フォニックスの基本的なルールには、以下の5つが挙げられます。
- 音を足しながら発音する
- 母音・子音が1文字つづきの場合はそのまま発音する
- 子音と子音のペアは新しい音になる
- 母音と母音のペアはさらに複雑になる
- 最後の「E」は発音しない
音を足しながら発音する
フォニックスの基本中の基本ルールは、上記で紹介したアルファベットの読み方を足しながら発音することです。たとえば「cat」の場合、上記のフォニックスを参考にすると「ク」+「ア」+「トゥ」と読みます。
ゆっくり発音すると「クアトゥ」ですが、つなげて速く発音することでネイティブと同じ発音の「キャット」となるのです。
<英単語のフォニックス読み例>
- Bag=「ブ」+「ア」+「グ」
- Red=「ゥル」+「エ」+「ドゥ」
- Spring=「ス」+「プ」+「ゥル」+「イ」+「ン」+「グ」
- Hot=「ハ」+「オ」+「トゥ」
- Card=「ク」+「ア」+「ゥル」+「ドゥ」
母音・子音が1文字つづきの場合はそのまま発音する
母音や子音が連続せず1文字つづきの場合は、基本的に上記のフォニックスどおりに発音します。
<英単語のフォニックス読み例>
- A:ア 例)「Apple(アップル)」
- B:ブ 例)「Bed(ベッド)」
- C:ク 例)「Car(カー)」
- D:ドゥ 例)「Dog(ドゥッグ)」
- E:エ 例)「Egg(エッグ)」
- F:フッ 例)「Foot(フット)」
- G:グ 例)「Gain(ゲイン)」
- H:ハ 例)「Hat(ハット)」
- I:イ 例)「Ink(インク)」
- J:ジュ 例)「July(ジュライ)」
- K:ク 例)「King(キング)」
- L:ル 例)「Love(ラブ)」
- M:ム 例)「Moon(ムーン)」
- N:ン 例)「Next(ネクスト)」
- O:オ 例)「October(オクトーバー)」
- P:プ 例)「Play(プレイ)」
- Q:ク 例)「Quiz(クイズ)」
- R:ゥル 例)「Regular(ゥレギュラー)」
- S:ス 例)「Sun(サン)」
- T:トゥ 例)「Titan(タイタン)」
- U:ア 例)「up(アップ)」
- V:ヴ 例)「Victory(ヴィクトリー)」
- W:ゥワ 例)「What(ゥワット)」
- X:クス 例)「Fox(フォックス)」
- Y:ィヤ 例)「Year(ィヤー)」
- Z:ズ 例)「Zip(ズイプ)」
子音と子音のペアは新しい音になる
子音同士が重なっている場合、新しい音が生まれることが多いです。
<英単語のフォニックス読み例>
- 「C(ク)」+「H(ハ)」=+「Ch(チッ)」 例)「Chair(チェアー)」
- 「S(ス)」+「H(ハ)」=+「Sh(シュッ)」 例)「Should(シュッド)」
- 「P(プ)」+「H(ハ)」=+「Ph(フ)」 例)「Phone(フォン)」
- 「W(ゥワ)」+「H(ハ)」=+「Wh(ウヮ)」 例)「What(ウヮット)」
- 「T(トゥ)」+「H(ハ)」=+「Th(ス)」 例)「Think(スィンク)」
- 「T(トゥ)」+「H(ハ)」=+「Th(ズ)」 例)「They(ズェイ)」
- 「N(ン)」+「G(グ)」=+「Ng(ング)」 例)「Sing(スィング)」
母音と母音のペアはさらに複雑になる
母音同士が重なっている場合は、ルールがさらに複雑なります。とくに以下の2つのルールを覚えておきましょう。
母音と母音のペアの基本ルール①
以下のような単語 は、最初の一文字目をアルファベット読みして、二文字目は発音しません。
<英単語のフォニックス読み例>
- Ai:エィ 例)「Aim(エィム)」
- Ea:イー 例)「Meal(ミール)」
- Ee:イー 例)「Green(グリーン)」
- Ie:イー 例)「Cookie(クッキー)」
- Oa:オゥ 例)「Boat(ボゥト)」
- Ue:ユー/ウー 例)「Value(バリュー)」
- Ui:ユー/ウー 例)「Suit(スーツ)」
母音と母音のペアの基本ルール②
以下のような単語は、2つの文字が新しい読み方になります。
<英単語のフォニックス読み例>
- Au:オー 例)「August(オーガスト)」
- Aw:オー 例)「Low(ロー)」
- Oo:ウッ 例)「Wood(ウッド)」
- Oo:ウー 例)「School(スクール)」
- Oi:オィ 例)「Boil(ボィル)」
- Oy:オィ 例)「Boy(ボオィ)」
- Ou:アゥ 例)「Out(アゥト)」
- Ow:アゥ 例)「Rainbow(レインボゥ)」
最後の「E」は発音しない
母音+子音+「E」の並びの場合、最後の「E」は前の母音をアルファベット読みして発音しません。たとえば「Cap」と「Cape」は、最後の「E」の有無のみが違う単語です。このルールに当てはめると、それぞれ以下のような読み方になります。
- Cap=「ク」+「ア」+「プ」=(キャップ)
- Cape=「ク」+「エー」+「プ」=(ケープ)
「Cape」の場合は、「E」の音が消えて「A」をアルファベット読みするため、上記のような違いが生まれるのです。
フォニックスの重要性
フォニックスを学ぶべき理由には、以下の3つが挙げられます。
正しい発音ができる
日本人が英語の発音を苦手にする理由のひとつに、アルファベット読みやローマ字読みが挙げられます。しかし、それらを習う前にフォニックスを知ることで、ネイティブのような正しい発音ができるのがフォニックスを勉強するべき大きな理由です。
正しい発音を知ることで、リスニングにも役立ちます。
初めて見た英単語も読める
フォニックスを理解していると、初めて見る単語も正しい発音で読めます。自信を持って英語を読めるので、積極性も強まってますます英語の勉強が楽しくなるでしょう。
英単語の綴りを予想できる
フォニックスを理解すると、音を聞くだけで英語の綴りを予想できます。スペルミスの可能性もなくなり、「話す・聞く」だけでなく「読む・書く」の技能にも効果的です。
まとめ
フォニックスとは、発音と文字の関係性を習うための音声学習方法です。アルファベット読みに慣れる前にフォニックスを把握すれば、ネイティブのような正しい発音ができるようになります。フォニックスは、単純な音の読み方のほかにもさまざまなルールがあるので、今回の内容を参考にフォニックスをマスターしましょう。
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